以上がお墓を建てる前の方針と確認事項です。
霊園には必ず自分で行って見る必要があります。
霊園によって違いますが、「永代使用承諾書」をまず返還します。その次に墓所を使用する前の状態にしておくことが義務づけられています。墓石だけではなく、外柵や植木なども取り払う必要があります。霊園の管理事務所とよく相談してください。
寿陵が急増している現代では、自分のお墓を自分で設計する方が増えてきています。「○○家之墓」と刻まずに「愛」「憩」「心」「魂」「夢」などの文字が愛用されるようになってきています。お墓の文字に決まりはありませんが、簡潔でイメージのよい文字や言葉を使うとよいでしょう。
おもに「水子」になった子供を供養するためのものです。お地蔵様は子供を守る仏さま(正確には菩薩さま)で、子供が亡くなると賽のの河原で石を積みますが、その苦しさから子供を救うのがお地蔵さまだといわれています。
五輪塔は、鎌倉時代以降にできたお墓の一種です。密教の教えにもとづいて、「地・水・火・風・空」の五輪を、それぞれ方・円・三角・半円・宝珠の形で象徴して、下から積上げたもので、正面にはそうした意味を表す種字(サンスクリット文字・梵字)をそれぞれの石に刻みます。天台宗や真言宗のお墓に多かったのですが、いまでは他の宗派の人でも五輪塔を建てます。ご先祖様をまつるために建てることが多いようです。
お墓は何代にもわたっておまつりするものですから、風化しにくい硬い石を使うことが大切です。それには「花崗岩」(みかげ石のこと )が最も適していて、現在の墓石のほとんどは花崗岩が使われています。国産のものは少なくなり、大半が輸入(韓国・インド・中国など)されています。墓石の良し悪しは専門家でないと難しいものです。お墓を建てる石材店と一緒に墓地へ行って、建てられた実物を見て気に入った墓石を選ぶことが一番かしこい方法です。
故人が生前好きだったものを供物にあげることは、お墓参りの基本ですが、お墓にお酒をかけることは、あまり感心できません。お酒の成分が墓石を傷めることがあるからです。墓前にお供えするのがよいと思いますが、もしお酒をかけたならば後は必ず水をかけて後が残らないようにふき取っておくことが大切です。
墓石は自然石です。化学変化には弱いので、市販のワックスや酸の強い洗剤などをつけると、あとあとまでしみがのこる原因となります。もし墓石の汚れがひどい時には、石材店に相談してください。
公営墓地では普通、お墓の姓とお墓を守る人の姓が同じでないと、お墓の使用権を承継することはできません。ただ一部のお寺などでは認めてくれるところもあります。その場合でも新規の契約となりますし、新たに檀家としての手続きとお金が必要となります。墓石に刻む文字を「○○家之墓」とはせずに、例えば「南無阿弥陀仏」「やすらぎ」「憩」などのように家名をいれなければ認めてくれるケースもあります。
法律違反となります。自分の家の庭や所有地に勝手にお墓を建てて、遺骨を埋葬することはできません。ただし記念碑的な、遺骨を埋葬しないものでしたら構いません。
法律的にはできますが、ほとんどの墓地では衛生上、伝染病予防の立場から、土葬を受け付けてくれません。宗教上の都合などで土葬を希望される場合は、現在の日本ではかなり限られたわずかな地域でしか認められていません。
埋葬するときに必要な「埋葬(火葬)許可証」は、市町村役場に申請して発行してもらいます。
長い間ご先祖様をお祀りしてきた大切なお墓ですから、お坊さんにたのんで「魂抜き」の法要を忘れずに営んでください。法要をすませたら、墓石を無縁塚に入れます。この場合は墓石全部ではなく竿石だけにして、他の部分は石材店に頼んで処分してもらいます。
残念ながらお墓は転売できません。もともとお墓には所有権はなく使用権ですから、返還ということになります。
生きているうちにお墓を建てると早死する、または悪いことが起きるという人も多いようですが、それは迷信です。生前に建てるお墓を「寿陵」(生前墓)といいます。「寿陵」の寿の字が示すように「家に幸せをもたらし、長寿が約束される」といわれ、大変おめでたいお墓なのです。仏教の教えにおいても、「寿陵」を建てることは、「逆修(ぎゃくしゅう)」すなわち「生前、自分のために仏事をいとなみ、冥福を祈ること」を為すことになります。
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